道徳的動物日記

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ペット

「アニマル・ウェルフェア」の多様な意味(読書メモ:『アニマル・スタディーズ 29の基本概念』⑤)

アニマル・スタディーズ29の基本概念 平凡社 Amazon 第29章「ウェルフェア」の執筆者はクレア・パルマーとぺテル・サンデュ。どちらも倫理学者であり、前者についてはこのブログでも過去に何度か取り上げている。また、両者はコンパニオン・アニマルの倫理…

利益に基づいた動物の権利:ペットの避妊、娯楽における動物の利用、環境保護との関係

Animal Rights Without Liberation: Applied Ethics and Human Obligations (Critical Perspectives on Animals: Theory, Culture, Science, and Law) (English Edition) 作者:Alasdair Cochrane 出版社/メーカー: Columbia University Press 発売日: 2012/0…

「ケアの倫理」の構造的問題点(読書メモ:『Entangled Empathy』)

Entangled Empathy: An Alternative Ethic for Our Relationships with Animals by Lori Gruen(2014-01-01) 作者:Lori Gruen 出版社/メーカー: Lantern Books 発売日: 1739 メディア: ペーパーバック 離職して、しばらくの間は本を読む時間もたっぷりとある…

読書メモ:『猫の精神生活がわかる本』

猫の精神生活がわかる本 作者:トーマス・マクナミー 出版社/メーカー: エクスナレッジ 発売日: 2017/12/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) 作家である著者が、愛猫の「オーガスタ」との出会いから共同生活、オーガスタの死による別れを綴りながら、猫の心…

ペットの安楽死にまつわる倫理的問題(読書メモ:『ラストウォーク 愛犬オディー最後の一年』)

ラストウォーク ―愛犬オディー最後の一年 作者:ジェシカ・ピアス 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2019/02/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) 著者のジェシカ・ピアスは倫理学者で、この本以外にもペット飼育に関する倫理の本や生命倫理の本、動物の道徳…

倫理学の理論や知識と、実際の生活との齟齬や乖離について(読書メモ:『哲学者とオオカミ』)

哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン 作者:マーク ローランズ 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2010/04/01 メディア: 単行本 哲学者である著者がオオカミの子どもを引き取って「ブレニン」と名付けて、アメリカやアイルランド、イギリスにフラ…

読書メモ:ペットと反出生主義

Pets and People: The Ethics of Our Relationships with Companion Animals (English Edition) 出版社/メーカー: Oxford University Press 発売日: 2017/02/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る www.oxfordscholarship.com 現代の哲学界にお…

読書メモ:ペットを飼うことを避けることの道徳的問題

Pets and People: The Ethics of Our Relationships with Companion Animals (English Edition) 出版社/メーカー: Oxford University Press 発売日: 2017/02/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る philpapers.org キャサリン・ノーロックという…

読書メモ:「ペットとの関係の、二層功利主義における分析」

Pets and People: The Ethics of Our Relationships with Companion Animals (English Edition) 出版社/メーカー: Oxford University Press 発売日: 2017/02/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る www.oxfordscholarship.com このブログでも何…

家畜動物のシティズンシップ:『人と動物の政治共同体』(2)

人と動物の政治共同体-「動物の権利」の政治理論 作者: スー・ドナルドソン,ウィル・キムリッカ,Sue Donaldson,Will Kymlicka,青木人志,成廣孝 出版社/メーカー: 尚学社 発売日: 2016/12/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を…

野生動物とペット・家畜に対する道徳的責任の違い - クレア・パーマー『文脈のなかの動物倫理』

Animal Ethics in Context 作者: Clare Palmer 出版社/メーカー: Columbia University Press 発売日: 2010/12/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 数年前にClare Palmer(クレア・パーマー)という人が書いた『Animal Ethics in Context(文…

動物園にまつわる倫理的問題

davitrice.hatenadiary.jp 某アニメの影響で動物園への関心が高まっているようだが、倫理学者のローリー・グルーエンの著書および記事を参考にしながら、動物園にまつわる倫理的問題について整理しておこう。 動物園の基本的な問題点は、広い自然環境で生き…

ペット動物の去勢に関する倫理

猫や犬などのペット動物に去勢・不妊手術を行うことは日本でも一般に行われているし、動物愛護協会も各都道府県の獣医師会も環境省も支持しているようだ*1。だが、インターネットやメディアではペット動物に去勢・不妊手術を行うことへの反対意見を見かける…

「「ペット」:動物の家畜化に内在する本質的な問題」 by ゲイリー・フランシオン

www.abolitionistapproach.com 今回紹介するのは、動物の権利論者・動物の権利運動家の、ゲイリー・フランシオンの記事。フランシオンはアメリカの法律学者で、法律において動物が「所有物」として扱われていることを批判し、動物を利用することを認める ins…