道徳的動物日記

人々の議論を眺めながら考えたことや読んだ本の感想など。このブログは利益や金銭目的ではなく人々に対する啓蒙のために書かれています。ありがたがれ。

雑感

仕事と倫理

magazine-k.jp この記事を読んで思ったことや、さいきん考え続けていることを書きなぐる。ただし、内容自体は上記の記事とはあまり関係ナシ。 上記の記事の後半では本の流通の問題や書店・本の存続そのものについての危惧が語られているが、それはおいておい…

切り抜きメモ:ミルの「功利主義」の「満足した馬鹿であるより不満足なソクラテス」論

功利主義論集 (近代社会思想コレクション05) 作者:J・S・ ミル 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会 発売日: 2010/12/05 メディア: 単行本 ミルの「功利主義」に書かれている文章でいちばん有名なものといえば、やっぱりコレ。 満足した豚であるより、不満…

社会運動の「戦略」の問題を指摘する人について

現代思想 2018年7月号 特集 性暴力=セクハラ ―フェミニズムとMeToo― 作者: 伊藤詩織,北原みのり,武田砂鉄,雨宮処凛,坂上香,上岡陽江,牟田和恵,岡野八代,仁藤夢乃,後藤弘子 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2018/06/27 メディア: ムック この商品を含むブロ…

労働・やりがい・疎外・ベーシックインカムなどについての雑感

働くことの哲学 作者: ラーススヴェンセン,Lars Svendsen,小須田健 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2016/04/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る ここ最近、仕事や労働や賃金、および財産の分配に関する哲学や思想史の本を何冊か…

義務論と帰結主義のすれ違い?

「倫理学入門」的なタイトルが付けられた本や授業では、規範倫理について紹介する際には、「倫理学の代表的な理論としては帰結主義(功利主義)と義務論がありまして、この二つの理論は対立するものとして見られておりますが、また別の角度から道徳を論じる…

村上春樹「ヒエラルキーの風景」、受験制度についての雑感

やがて哀しき外国語 (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1997/02/14 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (115件) を見る 高校生の頃から村上春樹にはまっていて、小説だけでなくエッセイも多々読んだ。…

私が"議論"が嫌いな理由

ひとくちに議論と言っても色々とあるだろうが、私には世の中で行われている議論というものはおおむね2種類に分かれているように思える。ひとつは、議論に参加している双方がお互いのことを対等に見なしており、互いがどう思っているかを明らかにしたり相互…

「"女性の上昇婚志向"論」についての雑感

このブログではこれまでにも何度かジェンダー論について話題にしてきたし、ジェンダーや恋愛に関して論じた本についての読書メモなども残している*1。また、ブログには取り上げなくても、進化生物学や社会科学などの観点から男女論や恋愛論や結婚制度などに…

読書メモ:『もてない男 - 恋愛婚を超えて』

もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書) 作者: 小谷野敦 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1999/01/01 メディア: 新書 購入: 4人 クリック: 121回 この商品を含むブログ (174件) を見る ちょうど20年も前の本だが、いまも続く「非モテ論」の先駆けとなっ…

若者はなぜネオリベ化するのか?

社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学 作者: ジョナサン・ハイト,高橋洋 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2014/04/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (27件) を見る 突然だが、現代の若者はネオリベ化している。 こ…

グレタさん問題についての雑感

www3.nhk.or.jp この一週間、グレタ・トゥーンベリさんの演説に関しては、グレタさん擁護派〜中立派の立場の人たちの幾人かが「批判派も擁護派も、彼女の"16歳の女子高生"という属性にばかりこだわり、彼女の発言の中身を見ていない」という旨のコメントを…

読書メモ:『モンテーニュ私記 - よく生き、よく死ぬために』

モンテーニュ私記―よく生き、よく死ぬために 作者: 保苅瑞穂 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2003/10 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 3回 この商品を含むブログを見る この本からではなく、この本で引用されているモンテーニュの『エセー』文章で…

「研究」ってそんなに魅力的か?(読書メモ:『在野研究ビギナーズ』)

在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活 作者: 荒木優太 出版社/メーカー: 明石書店 発売日: 2019/09/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 私自身、「在野」にありながら学術書や洋書を読んだりその内容をまとめてブログにして発信したり、…

人はなぜ過去の選択にこだわるのか

幸福はなぜ哲学の問題になるのか (homo viator) 作者: 青山拓央 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2016/09/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る 昨日にも『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』の感想を書いたが、本書の中でも特に印象に…

読書メモ:『生きづらい明治社会』、余談

会社での労働やお金稼ぎ、ネオリベ的な言説などなどに嫌気が差してしまい、そういうのを批判してくれそうな本をまとめて図書館で借りて読んだ。その中でも特に気に入った本についてメモを残しておく。 生きづらい明治社会――不安と競争の時代 (岩波ジュニア新…

浅き低きの幸福論

しあわせ仮説 作者: ジョナサン・ハイト,藤澤隆史,藤澤玲子 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2011/07/06 メディア: 単行本 購入: 12人 クリック: 226回 この商品を含むブログ (15件) を見る 雑感。 ジョナサン・ハイトの『しあわせ仮説』を読んでからポジテ…

「男性のつらさ」論についての雑感

前回の記事の続き…と言いたいところだが、大したことが書けそうにないので箇条書きで。 ●議論が盛り上がるきっかけとなった「男性のつらさの構造」記事では、男性のつらさの原因の一つを「女性の高望み」と分析していた。そして、それに対する解決策の一つと…

家父長制・弱者男性・フェミニズム

以前に訳して紹介したポーラ・ライト(Paula Wright)のブログの記事を読みながら、だらだらと考えたこと*1。 porlawright.com 「改良された"家父長制"を擁護する」というこの記事では、家父長制とは単一の種類しかないものではなく、悪性の家父長制もあれば…

ロブスターの福祉に配慮するのは感情的?

jp.reuters.com このニュースに対するネット上の様々な反応を見ての雑感。 動物福祉運動や動物の権利運動に対しては批判が投げかけられることが多い。特によくあるのが「知能が人間に近いからという理由でイルカや類人猿の権利を主張して他の動物には配慮し…

グローバリズムとかナショナリズムとかについての雑感

Voters deserve responsible nationalism not reflex globalism www.bostonglobe.com davitrice.hatenadiary.jp davitrice.hatenadiary.jp 社会心理学者のジョナサン・ハイトがCenter for Humans & Natureに掲載した「グローバリズム、ナショナリズム、愛国…