道徳的動物日記

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2014-04-02から1日間の記事一覧

ピーター・シンガーによる「種差別」の議論

「人間の利益を“人間だから”という理由で優先して、動物には“動物だから”という理由で配慮しないことは、その存在が 属している生物種によって配慮するかしないかを非合理的に選択する、種差別(生物種による差別)である。これは、白人の利益を“白人だから”…

ピーター・シンガーの「利益に対する平等な配慮」の原理

ピーター・シンガーが『動物の解放』で行った主張の要点は、以下のようなものである。 「動物は、人間と同じように、道徳的な配慮の対象となる」 「現在の社会において人間が動物たちに行っていること(畜産や動物実験など)は、人間の利益を優先して動物に…

ピーター・シンガーの『動物の解放』

現在、欧米やアジアなどの世界各国で「動物の権利運動」が行われている。 動物の権利運動は「人間の利益のために、動物を利用・搾取する制度」を批判する。具体的には、大規模な集約式畜産制度・学問研究や新製品開発のための動物実験制度・動物の毛皮を利用…

「動物は道徳的地位を持つ」という主張

・「動物の権利論」や「動物開放論」と呼ばれる議論の基本となる主張は「私たちは、動物に対して、直接的な義務を負っている」という主張である。これは「動物は道徳的地位を持つ」という主張でもある。 今回は、ジェイムズ・レイチェルズの議論を参考にしな…