道徳的動物日記

倫理学、社会科学、時事問題、世相などについて論じます。

動物愛護運動

ローリー・グルーエン『動物倫理入門』

本書は、Lori Gruen, Ethics and Animals: An introdution (2011)の翻訳である。 本書の構成としては、まず1章「動物問題とは何か」と2章「自然なことと規範的なこと」で動物のことを倫理学的に考えるために必要な基礎的な用語や理論を説明されてから、3…

ローリー・グルーエン「サミュエル・デュボースとライオンのセシル」

エコロジカル・フェミニストであり動物倫理についての著作もある倫理学者ローリー・グルーエンが、今年の7月末にアルジャジーラ・アメリカのWebサイトに投稿した英語記事を紹介する*1。 この記事は、オハイオ州で黒人男性サミュエル・デュボースが白人警官…

伴野準一『イルカ漁は残酷か』

イルカ漁は残酷か (平凡社新書) 作者: 伴野準一 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2015/08/13 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る ジャーナリストの著者による、和歌山県太地町を中心とした、イルカ漁と反イルカ漁運動について書かれた新書である。 …

スティーブン・ピンカーによる「動物の権利運動」論

スティーブン・ピンカーの『暴力の人類史』では、様々な資料や統計を駆使して、人類が歴史を通じていかに暴力を減少させていったかが示されている。扱われている「暴力」の種類も様々であり、国と国同士で行われる戦争やある社会が特定の集団に行う虐殺など…

倫理学における、動物の「知能による線引き」について、雑に説明してみた

<a href="http://anond.hatelabo.jp/20150523180144" data-mce-href="http://anond.hatelabo.jp/20150523180144">イルカ漁の是非について</a>anond.hatelabo.jp 「おれのアタマじゃ結論出ないので、倫理学の専門家に説明してほしいなあ。」 私も専門家ではないし、時間がないので雑になるが、前半の「知能による線引き」について、とりあえず説明してみる。 基本的に、倫理学…

動物の権利運動と動物福祉 ー 規制か、撤廃か? 動物の権利運動における畜産をめぐる論争

アニマルウェルフェア―動物の幸せについての科学と倫理 作者: 佐藤衆介 出版社/メーカー: 東京大学出版会 発売日: 2005/06 メディア: 単行本 購入: 1人 この商品を含むブログ (8件) を見る 1:「動物福祉」とは何か 欧米では、動物愛護運動は主にイギリスを…

「動物の権利」を主張するとはどういうことか  (動物の「道徳的権利」と、その他の意味合いでの「権利」)

動物の権利 (〈1冊でわかる〉シリーズ) 作者: デヴィッド・ドゥグラツィア,戸田清 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2003/09/06 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 20回 この商品を含むブログ (18件) を見る 「動物の権利」という言葉をめぐるや…

ピーター・シンガーの『動物の解放』

現在、欧米やアジアなどの世界各国で「動物の権利運動」が行われている。 動物の権利運動は「人間の利益のために、動物を利用・搾取する制度」を批判する。具体的には、大規模な集約式畜産制度・学問研究や新製品開発のための動物実験制度・動物の毛皮を利用…

ケネディ大使は「イルカを「ヒトに相当する」と見なしている」のか? / 「inhumane」を「非人道的」と訳すべきか?

Twitterやブックマークでも書いたが、せっかくなのでここにも掲載。 なぜ米国はイルカ漁に敏感なのか? 米大使が批判発言 /早稲田塾講師 坂東太郎のよくわかる時事用語 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140124-00000004-wordleaf-int&p=1 この記事につ…

(動画)ニック・クーニー、「動物愛護運動の科学」 心理学を利用して運動の支持者を増やす

修論でしんどいので、今日は動画を貼付けるだけで済ませます。 The science of animal advocacy, Nick Cooney at ... 自身も動物の権利運動家である心理学者、ニック・クーニー(Nick Cooney)さんの「動物愛護運動の科学」です。2013年にルクセンブルク…