政治学
アゲインスト・デモクラシー 下巻 作者:ジェイソン・ブレナン,井上彰,小林卓人,辻悠佑,福島弦,福原正人,福家佑亮 勁草書房 Amazon 一昨日の記事が長くなったので、残りは駆け足で紹介。 ●エピストクラシー(選良政治論)は「理想理論」か「悲理想理論」か? …
アゲインスト・デモクラシー 上巻 作者:ジェイソン・ブレナン 勁草書房 Amazon 著者であるジェイソン・ブレナンの議論については、過去に下記の翻訳記事で紹介している。 davitrice.hatenadiary.jp この記事ではやや変則的だが、本書の4章と5章の内容を先…
平等とは何か 作者:ロナルド・ドゥウォーキン 木鐸社 Amazon もし保険というものが利用可能だとすれば、これは自然の運と選択の運を連結する役目を果すことになるだろう。というのも、災害保険に入ったり、これを拒否することは計算された賭けと言えるからで…
リベラルな徳―公共哲学としてのリベラリズムへ 作者:スティーヴン マシード 風行社 Amazon ジョン・ロールズの『正義論』のような、リベラリズムに関する議論への基本的な忠誠は、それ自体が広く認識され、需要されうる理性的議論であるという事実においては…
政治哲学への招待―自由や平等のいったい何が問題なのか? 作者:アダム・スウィフト 風行社 Amazon 写経。 ●自由について 自由は、三者からなる関係である。それは、必ず三つの事柄への言及を含んでいる。すなわち、自由の行為主体、あるいは主語であるx、制…
政治哲学への招待―自由や平等のいったい何が問題なのか? 作者:アダム・スウィフト 風行社 Amazon [前段で平等を拒絶する世俗的な主張を並べた後に]これはすべて、大衆政治のレトリックのレベルでのことである。しかし平等は、政治哲学者からも、厳しい取り扱…
政治哲学への招待―自由や平等のいったい何が問題なのか? 作者:アダム・スウィフト 風行社 Amazon ●格差原理と、不平等の正当化 分配の正義に関する論争において、最大の注目を集めたのは、最後の原理ーーすなわち、格差原理ーーである。不平等は、どのように…
改訂第二版〈学問〉の取扱説明書 作者:仲正昌樹 作品社 Amazon 久しぶりに写経っぽい読書メモ。 「新自由主義」という言葉自体にも気をつけなくてはいけません。日本語の「〜主義」、あるいは英語の<〜ism>という言い方はすごく曖昧です。「マルクス主義」…
ロールズ 政治哲学史講義 I 作者:ジョン・ロールズ 岩波書店 Amazon ロールズ 政治哲学史講義 II 作者:ジョン・ロールズ 岩波書店 Amazon ホッブズやロックやヒュームやルソーやミルやマルクスについてのロールズによる解釈を読むことで、ロールズ自身によ…
ロールズと自由な社会のジェンダー: 共生への対話 作者:美奈子, 金野 勁草書房 Amazon リベラルな民主主義社会の理念では、私たちは自らの政治社会のあり方を対話によって定める。私たちが政治社会のあり方をめぐって対話する際に求められるのは、そこに「相…
自己陶冶と公的討論 -J.S.ミルの市民社会論の射程 作者:樫本直樹 大阪大学出版会 Amazon 先日に読んだ『醜い自由』と同じく、ミルの著作(『自由論』がメインだが『功利主義論』なども登場する)を扱った専門的な本。また、『醜い自由』と同じく、論理的な一…
政治哲学入門 作者:ジョナサン ウルフ 晃洋書房 Amazon 原書は1996年(最近に第4版が出版されているが)、邦訳も2000年。なんのフックもないタイトルに地味な装丁といかにも売れそうにないタイプの本だが、その中身はというと、わたしがいままで読んだ政治哲…
醜い自由 (新基礎法学叢書21) 作者:若松 良樹 成文堂 Amazon タイトルの通り、『自由論』でミルが主張していることについて緻密に分析していく、といった感じの内容。序文では著者は思想史家ではなく、この本にも文献学的な厳密さもないことがことわれている…
正義論 改訂版 作者:ジョン・ロールズ 紀伊國屋書店 Amazon 散々いっぱい入門書を読んでから「いざ」と意気込んでジョン・ロールズの『正義論』を読んでみたはいいものの、これがおそろしくつまらない。なにしろいちいち長ったるしく、注意して読まなければ…
いまこそロールズに学べ 「正義」とはなにか? 作者:仲正 昌樹 春秋社 Amazon あとがきで著者が「ロールズ研究者はミイラ取りがミイラになりがちだ」と述べたうえで、著者自身はミイラにならずにロールズとの間に一定の距離を保ちながらも、彼の理論をあっさ…
ロールズ正義論入門 作者:森田浩之 論創社 Amazon ここ最近はロールズの入門書をいくつか集中的に読んでいるが、そのなかでもこの本はいい意味でロールズの「信者」が書いたという趣があり、ロールズの議論について内在的に理解して読者に伝えようとしている…
自由原理 来るべき福祉国家の理念 作者:橋本 努 岩波書店 Amazon あまりコメントすることがないので、覚えておきたい箇所の「写経」みたいな記事になっちゃいます。 ●ヌスバウムのケイパビリティ論について 第一に、アリストテレス的な社会民主主義の文脈に…