道徳的動物日記

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「聖域なき社会科学」by ボー・ワインガード 

 

 

 社会心理学者のボー・ワインガードが、臨床心理学者のベンジャミン・マーク・ワインガードと共著で発表した評論「聖域なき社会科学」(A Social Scienece withou Sacred Value)の、著者本人による要約である。

 原文はこちら。原文では二回に分けて発表されたが、この翻訳では一つにまとめた。

 

A Social Science Without Sacred Values: Part I of an article summary | HeterodoxAcademy.org

 

A Social Science Without Sacred Values: Part 2 of an article summary. | HeterodoxAcademy.org

 

「聖域なき社会科学」by ボー・ワインガード 

 

 

 ジョナサン・ハイトや他の研究者たちは、社会心理学や社会科学全般においてイデオロギーの均一性が増していることを指摘してきた*1

最近の「行動と脳の科学」誌に発表された記事によると、このイデオロギー的均一性は微妙なバイアス(そして、微妙でもないバイアス)を社会科学にもたらすかもしれない*2我々は記事についてのコメントを書き、そのコメントを元に評論も書いた。*3。評論のなかで、我々は社会科学におけるバイアスを説明するためのモデルを考案した。このブログ記事では、上記の評論を要約して、バイアスがもたらす結果の一部を説明する。(…中略)

 私たちのモデルではメリオリズム(改善説)の概念を使用している。メリオリズムとは、人間の社会的進歩は可能である、という信念のことである。私たちのモデルはパラノイド平等主義的改善説(Paranoid Egalitarian Meliorist、以下ではPEM)モデルと呼ばれるものである。平等主義的改善説はパラノイド平等主義的改善説を認めてしまい、これは普遍的平等主義(Cosmic egalitarianism )をもたらすことになる。この普遍的平等主義が、社会科学にバイアスをもたらす主な原因である。

 難解に聞こえるかもしれないから、平等主義的改善説から説明していこう。平等主義的改善説は、以下のことを主張する。

(1)全ての社会階級、民族集団、性別は、平等な機会を与えられるべきであり、法の下に平等な扱いを受けるべきである。

(2)階級、集団、性別の間に現在存在する不平等は、連帯しての努力と適切な社会政策によって、最終的に排除することができる。

 上記の考えを支持しているのに加えて、平等主義に対する潜在的な脅威に対して非常に過敏である人は、パラノイド平等主義的改善説者となる。パライノドという言葉は聞き心地が悪く、ドラッグをやり過ぎた人がなる症状のように聞こえるかもしれないが、私たちのモデルでは、平等主義的改善説への脅威を発見したがる特定の精神的バイアス、という意味でパライノドという言葉を使っている。

 住宅用警報機について考えてみよう。警報機は、問題がある時に警報が鳴らないことよりも、問題が無い時にも警報を鳴らしてしまうことの方が多く起こるように設計されている。警報機を設置する人たちは、泥棒が入っている時に警報が鳴らなくて家のなかのモノが盗まれてしまう、という事態を望んでいないからだ。鳴る必要があるときに鳴らない警報機よりも、鳴る必要が無いときに鳴ってしまう警報機の方が、良いのである。パライノド平等主義的改善説は、住宅用警報機と似ている。PEMは平等主義的改善説に対する脅威を発見するように「設計」されており、実際には危険が無いときにも危険を発見してしまうことがあるのだ。

 平等主義への危険に対する警戒は普遍的平等主義へとつながる。また、全ての階級・民族集団・性別は、社会的に重要な特徴が生物学的に等しい、という信念(または直観、世界観)をもたらす。普遍的平等主義は「全ての集団は実際に平等なのであり、不平等をもたらす全ての政策は不公平であり不正義である」と考えているために、平等主義を脅威から保護しようとするのである。

 もし普遍的平等主義の考えが普及すると、人々は結果の平等を保障することを目指すようになり、集団・階級・性別に基づいて区別をすることは正当化されなくなるだろう。しかし、人が平等主義者になるために普遍的平等主義者になる必要はない、ということに注目してほしい。

 私たちの評論では、PEMのモデルには二段階の過程があることを示した。一段階目は脅威(脅威となる理論またはデータ)に対する注目であり、二段階目は脅威となる理論やデータに対する知的な査定である。多くの場合、ある理論が脅威であると判断されたなら、その理論は、理論に反対したり何らかの形で理論を退けることを目的とした動機付けられた推論のシステムの対象となってしまう。

 ハーンスタインとマレーの著書『ベル・カーブ』について考えてみよう*4。この本は、知性は遺伝的な面が強いものであり、現在存在している白人-黒人間のIQ差の一部は遺伝が原因となっている、と論じたものである。多くの学者がこの本を脅威であるとみなした。そのため、彼らはすぐに『ベル・カーブ』を否定するための方法を探しだした。

 彼らは対人攻撃を行った。「マレーは人種差別主義者であり性差別主義者だ」などとハーンスタインとマレーに悪意のある動機を見出し、著者たちに悪意があると仮定することで著者たちの理論を貶めようとした。また、学者たちは藁人形論法を使用し、著者たちの理論は馬鹿げていると主張することで、平等主義に対する脅威となった理論を退けた。

 重要なことは、学者たちは上記の戦術を意図的に使用したわけではないだろう、ということだ。マレーとハーンスタインの理論に脅威を感じた人たちは、理論は悪意のある他人によって持ち出されたものであり、馬鹿げているほど薄弱な理論だから簡単に否定できるものである、と本当に信じていたのだ。

 社会学の世界にはPEMの支持者が数多く存在しており、その数は最近の20〜50年で増え続けている、と考えられる理由は数多く存在する。PEMの支持者が増えたことにより、社会科学のイデオロギー的な均一性は増した。望ましい特徴という点について全ての階級・民族集団・性別は生物学的に等しい、という基本的な仮定に疑問を投げかける人は、普遍的平等主義を支持する社会科学者たちによって非難されることになった。 

 今日では社会科学内の普遍的平等主義はあまりにも極端になっており、一部の学部は普遍的正義の追求を公式に喧伝するようになってしまった。当然ながら、社会正義への熱意を共有しない多くの学者たちは、その学部で教職に就こうとはしなくなる。これにより、イデオロギーの均一性は更に増すことになる。キーン大学の広報webサイトから、「社会学と社会正義」の学位のプログラムがどんなものであるか、見てみよう。「人種、階級、性別、性的指向などのアイデンティティ・カテゴリに基づいた不平等に学生たちを注目させて…」、「平等主義と公正の確固たる原則」にコミットすることを学生に促すことを目指している、と書かれている*5

 このようなイデオロギー的均一性は、近年に多くの学者たちが指摘してきた多くの問題へとつながる*6。しかし、私たちの理論による原因の分析は、これまでになされてきた分析とはやや異なるものである。ドアルテらが行った分析が代表的だが、多くの学者たちは、社会科学におけるイデオロギー的均一性の原因を政治的均一性に見出してきた*7。そして、社会科学を構成する学者たちのほとんど全員がリベラルであるから、社会科学にはリベラル的なバイアスが示されるのだ、ということが特に論じられてきた。

 我々も、上記のことはイデオロギー均一性の一因であると考える。しかし、普遍的平等主義が特定の政治的派閥(この場合はリベラル)に特有のものであるかは疑わしい、と我々は考える。我々には、保守たちも普遍的平等主義に固着しているように思える。保守的なウェブサイトや保守的な雑誌に発表された記事のなかで、例えば「民族集団の間や個々人の間には、社会的に重要な生物学的な違いが存在する」ということを仮定している記事は、ごくごく僅かである(しかしながら、男と女の間には違いがある、ということは保守に受け入られているようだ)。大半の記事は、文化・教育・育児習慣の違いが民族集団間や個人間の成功の差を説明する、という仮定をしている。

 さらに示唆的なことは、銃規制や財政政策についてのリベラルの見解に反対している学者は多く存在するが、彼らは学問界のなかで比較的良い立場を維持することが許されているのに、普遍的平等主義の論法に違反する学者たちは(例え彼がリベラルであったとしても!)、ぞんざいに中傷されて主流派インテリとしての地位から叩き落とされてしまう、ということだ。例として、チャールズ・マレー、アーサー・ジェンセン、リンダ・ゴットフレッドソン、J.P.ルストン、ニコラス・ウェイド、リチャード・リン。

 

(……中略。原文ではパート2の冒頭で、パート1の要約をしている箇所)

 

 私たちの見方によると、社会科学におけるバイアスの主な原因は普遍的平等主義であり、これは政治的なイデオロギーそのものよりも重大な影響を与えている。私たちの見方が事実なら、社会科学におけるバイアスに関心のある研究者は、政治的イデオロギーよりも普遍的平等主義に多くの注意を払うべきである(もっとも、政治的イデオロギーも関わっていることは疑いない)。

 PEMモデルが正確だとすれば、経験的に、以下のことが予測される。

 

 1. 普遍的平等主義には違反しているが、他の点ではリベラリズムの教義を支持している学者は、異端者として扱われて尊厳ある言論の領域から追い出される。

 

 2.リベラリズムの教義には違反しているが、普遍的平等主義を支持している学者は、批判や攻撃を受ける可能性はあるが、尊厳ある言論の領域から追い出されることはない。

 

 より多くの研究が求められるが、近年の歴史は上記の仮説を支持する、と私たちは考える。また、一部の系統的な証拠は示唆的である。例えば、ウォスナー、ケリー・ウォスナー、ロスマンたちが書いた記事によると、右派的な大学教授のなかで「自分の政治的意見のために不公平に扱われた」と報告した人は2パーセント以下であり、その数は同様の報告をした左派的な教授の数とほぼ同じであった*8。しかし、普遍的平等主義に違反した教授たちに同じ調査をした場合、「不公平に扱われた」と報告する人の数がここまで少なくなるかは疑わしい。我々が評論のなかで指摘したもう一つの重要な点は、普遍的平等主義に違反する考えやデータに対する偏見は、大学界だけでなく主流メディアにも影響を及ぼしている、ということである*9

 メディア評論家や有名な知識人など、大学界の外の知識人たちの大半も普遍的平等主義に固執しているようであるし、それに疑問を投げかける人を酷評しているようである。このことは、大学界の内におけるバイアスと同じくらい深刻だ。異端的な学者が自分の考えを発表する機会を奪い、普遍的平等主義に反する意見が民族的マイノリティや女性にとって危険で侮辱的であると歪曲して報道するように報道局の人たちを動機付けてしまう。そして、このことは大学にフィードバックされる。大学の管理者たちは、尊敬される大学としての名声が報道によって汚されるのを恐れるのだ。

 ニコラス・ウェイドとゲイリー・クレックを比べて、考えてみよう。ニコラス・ウェイドは、人種の違いとその違いが文明にもたらした結果について書いた著書『A Ttoublesome Inheritance: Genes, Race and Human History (厄介な遺産:遺伝子、人種、人類の歴史)』を出版した*10。ゲイリー・クレックは、銃規制政策の非効率性や銃が身を守るために使われた事例について、いくつもの記事や本を書いてきている*11。クレックは、リベラルが支持している政策の少なくとも一部を、公然と否定している*12。ウェイドは、私たちが知る限りでは、リベラルが支持している政策を公然と否定したことは一度も無い。しかし、ウェイドは普遍的平等主義に違反した。彼らは、リベラルなメディアと学問界の大半から、どのように取り扱われただろうか?

 2014年にウェイドが出版した『A Ttoublesome Inheritance』では、以下のことが論じられていた。

(1)人種は生物学的に実在するものであり、カテゴリーとして実用的なものである。(2)人種間の違いは、小さなものではあるが、無視できないものである。

(3)人種間の違いの一部は、人間の社会や文明の多様性について説明するかもしれない。

 この本に対する反応は、早急で激しいものだった。抑制のない書評が、この本は三流の科学的レイシズムであると喧伝して批判した。サイエンティック・アメリカ誌に寄稿している進化人類学者のエリック・マイケル・ジョンソンは、「On the Origin of White Power (白人の権力の起源について)」という挑発的な題名が付けられた書評を執筆した。書評の中で、ジョンソンはウェイドを評判の悪い政治理論家や政治的態度と結びつけて、ウェイドは人種差別主義者であると強く示唆している*13。読者が論点を見失わないようにするためにか、書評にはクー・クラックス・クランKKK)のイラストが付けられている。同様の書評が数多く発表され、139人の遺伝学者や進化学者たちによる『A Troublesome Inheritance』を非難する公開声明がニューヨークタイムス紙に発表されるまでに至った*14*15。学者たちは、自分たちの研究を「当てずっぽう」な著作を「正当化しようとする」のに利用したとしてウェイドを告発し、近年の自然淘汰が「IQテストの点数、政治制度、経済発展などの世界的な差」を生み出したかもしれないとウェイドが論じていることを叱りつけた。

 公開声明には、二つ、当惑させるような問題がある。まず、公開声明の内容はいくぶん不正確であり、ウェイドが行っていない議論まで彼が行ったとされている。ウェイドは、IQテストの点数の差については強く議論していないし、人種間の知性の差の重要性(や、そもそもそれが存在するかどうか)については不可知論的な姿勢を本のなかで維持している(ただし、アシュケナージユダヤ人の知性が高いという点については、ウェイドは認めているようである)*16

 ある本を非難する公開声明は、非難している対象について正確であるべきだ。第二に、このような公開声明が出されることは非常に珍しいことである。公開声明はウェイドの犯したかもしれない誤りを修正するために出されたのではなく、現代の遺伝学や進化科学の成果を「横領した」ウェイドの著作を完全に無効化しようとするために出されたのだ。そして、彼の著作が明らかに普遍的平等主義に違反していることが、特に問題とされている(ウェイドの著書に対する数多くの書評では、本の内容にいくつかの誤りあることは指摘されているが、遺伝学の研究を参照している部分でなにか大きな誤りが犯されているということが明白に示されている訳ではない)。まとめると、ウェイドは藁人形にされて公然と攻撃されてしまい、普遍的平等主義の基本的な教えに対する違反を公開する可能性のあった他の人たちに、強烈な警告を与えることになってしまったのだ。

 他方で、ゲイリー・クレック大半の銃規制政策の非効率性と銃が身を守るために使われた多数の事例について長年に渡って書き続けており、リベラルたちから怒りを買ってきた*17。先ほどクレックについてGoogleで検索してみたところ「銃ロビー団体の嘘つきたち、ゲイリー・クレック…」という記事が出てきた*18。クレックに対するこのような攻撃は珍しいことではない。彼が執筆した記事の多くが議論を巻き起こしてきた。しかしながら、我々の知る限りでは彼はいまだに尊敬に価する大学人として見なされており、知識人たちから仲間外れにされていない。もちろん、これらはたった2件の事例研究であり軽はずみに拡大解釈されるべきではない。だが、これらの事例は私たちの理論・証拠・歴史的な事例と一致しているようである。ニコラス・ウェイドは大学に所属する学者ではないから、クレックの扱いとは比較できない、というのは正当な反論だ。だが、ウェイドが大学人や評論家たちから受けた扱いは、(1)普遍的平等主義を存続させることについて、世の中の主流が担っている役割を例証している、(2)リンダ・ゴットフレッドソン、J.P.ルストン、アーサー・ジェンセンなど、大学内に属する学者たちが受けた扱いと非常に似ている*19

 さて、社会科学やメディア一般におけるバイアスを軽減するには、どうすればいいだろうか?まず、社会科学の内部においては、批判的思考とバイアスにはっきりと集中した授業を学部生に必須科目として受講させるべきだ。事実と価値を分けて考えることを、学生に教えるのだ。事実と価値を分けて考えることは非常に難しいのだから、批判的思考の授業が大学内に十分に用意されていないことは、驚くべきことである。平等主義的改善主義者が、性別・人種・社会階級の違いについてのデータを、公平無私に評価できないという理由はない。人種のように特に繊細な問題については、注意深く慎重な言葉を使い、集合データを(雇用時や、警備的措置などの)個々人レベルでの判断に使用する危険性について 学生たちに(そして、他の教授たちにも!)教えることは、学者たちにとってきわめて重要なことだ。正義と公正について部族的に考えることを避けて、個人を中心に考えることを強調することによって、リベラル民主主義は進歩をもたらした。このことはいくら強調しても強調し足りないことである。  

 メディア一般におけるバイアスに対処することは、大学内のバイアスに対処するよりも難しいだろう。しかし、まず重要なことは、バイアスについて議論することだ。このwebサイトに寄稿している多くの学者たちも含めて、数多くの学者たちが議論を始めていることに、我々は感謝している*20。十分な数の自覚的な大学人や学者がいて、問題についての注意を惹きつけることができれば、問題についてなんとかしようというプレッシャーが生まれることになるだろう。問題に対処するためのインセンティブも生まれることだろう。

*1:

THE BRIGHT FUTURE OF POST-PARTISAN SOCIAL PSYCHOLOGY | Edge.org 

*2:

journals.cambridge.org

*3:

www.researchgate.net

*4:

 

Bell Curve: Intelligence and Class Structure in American Life (A Free Press Paperbacks Book) (English Edition)

Bell Curve: Intelligence and Class Structure in American Life (A Free Press Paperbacks Book) (English Edition)

 

 

*5:

Sociology and Social Justice | Kean University - Nathan Weiss Graduate College

*6:

http://chriscmartin.com/pdf/Martin%20(2015)%20How%20ideology%20has%20hindered%20sociological%20insight_web.pdf 

記事の要約の翻訳 ↓

イデオロギーは社会学の知見をいかに妨げたか by クリス・マーティン - 道徳的動物日記

*7:

http://heterodoxacademy.org/2015/09/14/bbs-paper-on-lack-of-political-diversity/

*8:

Five myths about liberal academia

*9:

IV. Values and the Press | Pew Research Center

 

*10:

 

A Troublesome Inheritance: Genes, Race and Human History

A Troublesome Inheritance: Genes, Race and Human History

 

 

*11:

Gary Kleck ‹ Florida State College of Criminology & Criminal Justice

*12:

Growing Public Support for Gun Rights | Pew Research Center

*13:

On the Origin of White Power - Scientific American Blog Network

*14:

Nicholas Wade and race: building a scientific façade – Violent metaphors

*15:

http://www.nytimes.com/2014/08/10/books/review/letters-a-troublesome-inheritance.html?module=Search&mabReward=relbias%3As%2C%7B%221%22%3A%22RI%3A5%22%7D&_r=0

*16:

http://news.sciencemag.org/sites/default/files/Wade%20response.pdf

*17:

http://scholarlycommons.law.northwestern.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=6853&context=jclc

*18:

Gun Lobby Liars, Gary Kleck, Alan Korwin, National Rifle Association (NRA) Continue to Deceive Americans | One Utah

*19:

http://www.udel.edu/educ/gottfredson/reprints/2009academicfreedom.pdf

Leading race “scientist” dies in Canada - Salon.com

Intelligence, Race, And Genetics: Conversations With Arthur R. Jensen: Frank Miele: 9780813340081: Amazon.com: Books

*20:

HeterodoxAcademy.org | to increase viewpoint diversity in the the social sciences