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道徳的動物日記

動物や倫理学やアメリカについて勉強したことのある人の日記です。

ジョナサン・ハイト 『しあわせ仮説』 (1) 自分の強みを活かして、充足を得る

心理学 倫理学

 

しあわせ仮説

しあわせ仮説

 

 

 

・昨年があまり順調ではなく、終始不幸感に苦しめられていたこと。また、今年も修論提出以降の人生の見通しが全く経っておらず、フリーターかニートになりそうであり、今年や来年以降に状況が改善する見込みもないので、終始不幸感に苦しめられることが予測されている………ということで、心持ちだけでもポジティブにして幸せになろうと思い、ポジティブ心理学と哲学とを融合させたこの本を読むことを決意。

 

・序章で、仏陀やストア派の哲学者が主張するような「幸福は心の内側からもたらされるものであり、世界を自らの欲望に沿うようにすることでは得られない」という主張を、フラストレーションへの対応策としては有効だと認めながらも、「この世の中には追い求める価値があるものは存在する」「人生には、人を恒久的に幸福にする、外的条件が存在する」と著者のハイトは反論する。そのような条件の一つは、他人と築く関係性。(p.5)

 

・ポジティブ心理における重要な考え、「幸福の方程式」。

 

 H(実際に経験する幸福の水準) = S(生物学的な設定点)+C(生活条件)+V(自発的な活動) 

 

 Sは変えることが出来ない。 

 Cは可変的なもの(財産、配偶者の有無、住んでいる場所)と変えられないもの(人種、年齢、障害)の両方が含まれている。

 どのような類のCやVが、潜在的な範囲の一番上までHを押し上げることが出来るかを、科学的な方法によって探究することが、ポジティブ心理学の課題である。(p.138-139)

  

・第5章「幸福の追求」で、「人を恒久的に幸福にする、外的条件」の具体的な内容や、人を幸福に導く活動について論じられる。

 幸福は、ケーキを食べること・セックス・そよ風に触れること、などで得られるような感覚的・情動的な「快楽」と、ある課題や仕事に挑戦することや、なにかの行為(創作活動・スポーツ・団体競技・運転・会話など)に夢中になることで得られるような「充足」とに、区別できる。

 快楽は長続きせず、快楽によって成長することは無い。快楽を追い求めることは、長期的に見れば、自分にとって益にならない。

 充足は、何かを達成したり、学んだり、改善したりした時に得られる。難し過ぎる・自分に向いていない課題に挑戦しても充足は得られないが、自分に向いている適度に困難な課題に挑戦し、結果について手応えが得られているうちに、フロー状態が起こり、困難な課題も苦しいものではなくなる。挑戦の結果に手応えがあれば、さらに自分の能力を発揮し、自分の強みを磨いて挑戦を続けたくなる。

 というわけで、幸せな人生を送る秘訣は、「自分の強み」を認識して、その「強み」が活かせるような活動を行い、充足を得ることである。また、友人を助けたり他人に感謝するなど、人間的な関係の結び付きを強くするような活動は、多くの充足が得られる。なにか、自分に向いているような充足活動を考えて、定期的にそれを実施すると(「親切心」が強みの人は一週間に1回は他人に親切を行なうように努める、など)、幸福度が上がる。(p.146-148)

 

・「強み」という日本語は"Virtue"(徳)の訳。自分の強みを確認するには、ネットに転がっている診断テストを受ければいい。私は、ペンシルバニア大学ポジティブ心理学公式サイトで受けられる(要登録)、マーティン・セリグマン博士の「VIA・強みに関する調査票 (VIA-IS)」を受けた。選択式のテストだが、200問以上あるので、全て答えるのには時間がかかる。しかし、自分の強みを1位から24位まで順位付けて示してくれるし、問題数が多いだけあってなかなか説得力があるんじゃないかと思う。

http://www.authentichappiness.sas.upenn.edu/Default.aspx

 

・私の強みトップ5は「向学心」「好奇心」「ユーモア」「審美眼」「柔軟性」。一方で、「熱意」「感謝」「チームワーク」「リーダーシップ」「忍耐力」が低かった。

 向学心や好奇心を活かせて、充足の得られるような活動と言えば、やはり勉強だろうが、論文を書くのに必要とされる忍耐力は持ち合わせていないのでアカデミック方面に進める気はせず、せいぜい趣味で本を読む程度。フィクション作品の観賞も好きなので審美眼はそこに活かせるかもしれないが、映画やドラマを見たり小説を読むことなんて所詮は受動的な活動なので、そこまで充足が得られるかどうか。ユーモアや柔軟性が活かせるような充足活動は思いつかない。また、グループやチームとしてなにかに取り組んだり、他人に感謝するような活動の方が充足が得られるらしいが、そもそもチームワークやリーダーシップが低い。前途多難だ。どうすればいいんだろう。