2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧
2019年の日本のネット論壇では、例年のごとく「萌え絵」や二次元キャラクターの性的表現、およびそのような表現を公共の場で展示することの是非、などなどが話題になった。 毎年のように繰り返されている論争であり、今年も大して議論の進展があったように思…
さいきん、タコと魚類に関する本を続けて読んだ。 タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源 作者:ピーター・ゴドフリー=スミス 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2018/11/17 メディア: 単行本 魚たちの愛すべき知的生活―何を感じ、何を考え、どう行…
日本社会の構造的な問題点や、日本社会で起きた事件の問題性について、海外のメディアや記者が取り上げることはめずらしくない。たとえば、ここ最近では以下のような記事が記憶にあたらしいだろう。↓ www.nytimes.com www.bbc.com toyokeizai.net そして、こ…
哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン 作者:マーク ローランズ 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2010/04/01 メディア: 単行本 哲学者である著者がオオカミの子どもを引き取って「ブレニン」と名付けて、アメリカやアイルランド、イギリスにフラ…
もしかしたらこのブログの読者ならご存知かもしれないが、私にはインターネット中毒の傾向がある。 特に、Twitterとはてなブックマークはついつい見てしまう。 会社でフルタイムで働きだすようになってからは本を読める時間が減った一方で、インターネットを…
功利主義をのりこえて:経済学と哲学の倫理 作者: 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房 発売日: 2019/11/12 メディア: 単行本 レベル1の諸原則は、実践的な道徳的思考、特にストレスのかかる状況下での道徳的思考で用いられるものである。これらの諸原則は教育…
エルスターの「酸っぱい葡萄」については論文の方の感想は先日に記事にしたわけだが、オンラインで一部公開されている単著の方の「訳者あとがき」も参考になる。今回はこの「訳者あとがき」の方を読んでの雑感*1。 分析的マルクス主義者でもあるエルスターに…
www.orangeitems.com ↑ 上記の記事でなされている主張を引用しよう。 働かないというのは、社会から切り離されることに等しいと思います。社会で生きていたら誰かの役に立っていないときっと空虚な気持ちになります。住居も保証され何でも買っていい、旅行も…
功利主義をのりこえて:経済学と哲学の倫理 作者: 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房 発売日: 2019/11/12 メディア: 単行本 ↑ 上記の本に収録されているヤン・エルスターの「酸っぱい葡萄:功利主義と、欲求の源泉」を読んだのでメモを残す。実は以前にもエル…
AI時代の労働の哲学 (講談社選書メチエ) 作者:稲葉振一郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/09/11 メディア: Kindle版 人工知能と労働の哲学、といえば「人工知能が発達してシンギュラリティを起こして人間を凌駕する存在になる」ことを前提として、…
gendai.ismedia.jp ↑ この記事についたブクマなどの反応を見ての雑感。 記事に対する賛否は半々であり、記事で指摘されているニワトリの劣悪な飼育状況に対する懸念を表明する声や改善を求める声もある一方で、記事の著者がアニマルライツセンターの代表であ…
人と動物の政治共同体-「動物の権利」の政治理論 作者:スー・ドナルドソン,ウィル・キムリッカ,Sue Donaldson,Will Kymlicka 出版社/メーカー: 尚学社 発売日: 2016/12/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この本は院生時代に原著を読んでおり、邦訳が出版…
gendai.ismedia.jp ↑ この記事に関する雑感。 ・この記事では「負の性欲」という概念がさも画期的な発明であるかのように大げさな言葉で説明されているが、実のところ「負の性欲」が指し示す現象はこれまでにも俗流の男女論や恋愛心理学で散々言われてきたも…
magazine-k.jp この記事を読んで思ったことや、さいきん考え続けていることを書きなぐる。ただし、内容自体は上記の記事とはあまり関係ナシ。 上記の記事の後半では本の流通の問題や書店・本の存続そのものについての危惧が語られているが、それはおいておい…
功利主義論集 (近代社会思想コレクション05) 作者:J・S・ ミル 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会 発売日: 2010/12/05 メディア: 単行本 ミルの「功利主義」に書かれている文章でいちばん有名なものといえば、やっぱりコレ。 満足した豚であるより、不満…
現代思想 2018年7月号 特集 性暴力=セクハラ ―フェミニズムとMeToo― 作者: 伊藤詩織,北原みのり,武田砂鉄,雨宮処凛,坂上香,上岡陽江,牟田和恵,岡野八代,仁藤夢乃,後藤弘子 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2018/06/27 メディア: ムック この商品を含むブロ…
働くことの哲学 作者: ラーススヴェンセン,Lars Svendsen,小須田健 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2016/04/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る ここ最近、仕事や労働や賃金、および財産の分配に関する哲学や思想史の本を何冊か…