メモ：死がもたらす危害の「時間的利益相対説」

倫理学生命倫理

ジェフ・マクマーン（Jeff McMhan）が著書『Ethics of Killing（殺すことの倫理学）』で主張している「時間的利益相対説（Time-Relative Interest Account）」についてのメモ。とはいえ、『Ethics of Killing』は現在手元にないので、デビッド・ドゥグラツィ…

2016-12-29

「動物の権利と先住民の権利」 by ウィル・キムリッカ、スー・ドナルドソン

動物倫理野生動物文化と倫理

政治哲学者のウィル・キムリッカとスー・ドナルドソンの共著『人と動物の政治共同体（現代：Zoopolis）』の邦訳が発売されたが、何週間か前にAmazonに予約したというのにまだ届かないので、代わりにキムリッカとドナルドソンが無料で公開している論文「動物…

2016-12-28

読書メモ：デール・ジェイミーソンの環境倫理学入門

本生命倫理倫理学動物倫理環境倫理

Ethics and the Environment: An Introduction (Cambridge Applied Ethics) 作者: Dale Jamieson 出版社/メーカー: Cambridge University Press 発売日: 2008/01/24 メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見る先日に読んでいた本。著者のデール…

2016-12-18

「限界事例の議論」に関する、ゲイリー・ヴァーナーの議論

倫理学生命倫理動物倫理本

道徳的地位やパーソン論に関する議論では「限界事例の議論（Argument from Marginal Cases）」がよく出てくる。「人間はパーソンであるが動物はパーソンではない」と論じるとき、人間がパーソンである理由として「過去・現在・未来に渡って自分が存在すると…

2016-12-17

メモ・二層功利主義とはなんぞや

倫理学本文化と倫理

R・M・ヘアが『道徳的に考えること』にて論じている「二層功利主義」という考え方を、『道徳的に考えること』や他のヘアの著作を読み解きながら書かれたゲイリー・ヴァーナーの著作『Pesonhood, Ethics, and Animal Cognition: Situating Animals in Hare's …

2016-12-16

メモ・功利主義と思考実験、功利主義と直観

倫理学本文化と倫理

・功利主義に対してよくある批判が、「ある犯罪によって社会不安が起こり暴動が起こりそうになっており、暴動が起こると確実に何人以上かが死ぬ。政府には犯人を特定して捕まえることができないが、無実とわかっている一人の男を犯人だということにして処刑…

2016-12-14

「共感の罠」 by ピーター・シンガー

心理学倫理学本時事問題

www.project-syndicate.org 今回紹介するのは倫理学者ピーター・シンガーが先日にProject Syndicateに発表した記事。心理学者ポール・ブルームの新刊の書評的な記事である。「共感の罠」 by ピーター・シンガーバラク・オバマがアメリカ大統領として選出さ…

2016-12-11

メモ・道徳的地位と道徳的重要性、なぜパーソンの生は特別な道徳的重要性を持つのか

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davitrice.hatenadiary.jp 前回の記事の付け足し、補足的な内容。書き終わってから気付いたが、前回では「人格」「準-人格」と訳していたところを「パーソン」「準-パーソン」と訳してしまった。直すのめんどくさいのでそのままにしておく。意味は一緒。パ…

2016-12-10

「捕鯨に対する文化的偏見？」　by ピーター・シンガー

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www.project-syndicate.org 今回紹介するのは、倫理学者のピーター・シンガーが２００８年の１月に Project Syndicate に発表した、「Hypocrisy on the High Seas?（公海上の偽善？）」という記事。２０１６年に発売されたシンガーの倫理学エッセイ集である…