フェミニズム
女性のいない民主主義 (岩波新書) 作者:前田 健太郎 発売日: 2020/01/30 メディア: Kindle版 日本の民主主義における「女性不在」の問題について、参政権や政策、投票行動や立候補などの問題に細かく分別しながら、「ジェンダー論」や「フェミニズム」という…
ボーイズ 男の子はなぜ「男らしく」育つのか 作者:レイチェル・ギーザ 発売日: 2019/03/01 メディア: Kindle版 男性たちが持つ「男らしさ」は先天的に備わっているものではなく、社会関係やメディア表象などを通じて後天的に身に付くものである、ということ…
エロティック・キャピタル すべてが手に入る自分磨き 作者:キャサリン・ハキム 発売日: 2012/03/03 メディア: 単行本(ソフトカバー) 数年前に読んだ本であるが、思うところあって改めて再読。 「すべてが手に入る自分磨き」という邦訳版オリジナルの副題は…
davitrice.hatenadiary.jp ↑ この記事を書いた後に出版された本とかネットに上がった記事などを見ての雑感。 ジェンダー論の本やジェンダー論的なネットの記事などで「男性のつらさ」ということが論じられる際には、男性同士の「競争」がつらさの原因である…
ケアリング―看護婦・女性・倫理 作者:ヘルガ クーゼ 出版社/メーカー: メディカ出版 発売日: 2000/07/01 メディア: 単行本 この本は看護婦という仕事について哲学的に考察したり、看護の倫理について論じたものであるが、倫理学一般についても数章を割いて論…
davitrice.hatenadiary.jp 先日の記事でも書いたが、ケアの倫理やフェミニズム倫理などの「理性」より「感情」を重視する倫理学理論には根本的に問題点があり、理論として破綻しているように思える。 しかし、「“理性的”を標榜する既存の倫理学理論によって“…
Entangled Empathy: An Alternative Ethic for Our Relationships with Animals by Lori Gruen(2014-01-01) 作者:Lori Gruen 出版社/メーカー: Lantern Books 発売日: 1739 メディア: ペーパーバック 離職して、しばらくの間は本を読む時間もたっぷりとある…
2019年の日本のネット論壇では、例年のごとく「萌え絵」や二次元キャラクターの性的表現、およびそのような表現を公共の場で展示することの是非、などなどが話題になった。 毎年のように繰り返されている論争であり、今年も大して議論の進展があったように思…
日本社会の構造的な問題点や、日本社会で起きた事件の問題性について、海外のメディアや記者が取り上げることはめずらしくない。たとえば、ここ最近では以下のような記事が記憶にあたらしいだろう。↓ www.nytimes.com www.bbc.com toyokeizai.net そして、こ…
gendai.ismedia.jp ↑ この記事に関する雑感。 ・この記事では「負の性欲」という概念がさも画期的な発明であるかのように大げさな言葉で説明されているが、実のところ「負の性欲」が指し示す現象はこれまでにも俗流の男女論や恋愛心理学で散々言われてきたも…
生まれてこない方が良かった―存在してしまうことの害悪 作者: デイヴィッドベネター,David Benatar,小島和男,田村宜義 出版社/メーカー: すずさわ書店 発売日: 2017/11/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 先日に聴きに行った、学習院大…
このブログではこれまでにも何度かジェンダー論について話題にしてきたし、ジェンダーや恋愛に関して論じた本についての読書メモなども残している*1。また、ブログには取り上げなくても、進化生物学や社会科学などの観点から男女論や恋愛論や結婚制度などに…
Pets and People: The Ethics of Our Relationships with Companion Animals (English Edition) 出版社/メーカー: Oxford University Press 発売日: 2017/02/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る philpapers.org キャサリン・ノーロックという…
もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書) 作者: 小谷野敦 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1999/01/01 メディア: 新書 購入: 4人 クリック: 121回 この商品を含むブログ (174件) を見る ちょうど20年も前の本だが、いまも続く「非モテ論」の先駆けとなっ…
日本恋愛思想史 - 記紀万葉から現代まで (中公新書) 作者: 小谷野敦 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2012/11/22 メディア: 新書 クリック: 21回 この商品を含むブログ (17件) を見る 第一章の章名が「恋愛輸入品説と十二世紀西欧の発明説」など、全…
高学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか? (光文社新書) 作者: 大理奈穂子,栗田隆子,大野左紀子,水月昭道 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2014/02/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (14件) を見る 貧困状態にある高学歴女性が現状を綴る私…
結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3) 作者: 小倉千加子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2007/01/01 メディア: 文庫 購入: 13人 クリック: 214回 この商品を含むブログ (53件) を見る フェミニストの学者が、当時(2002年〜2003年)の日本の女性の結婚にま…
quillette.com 上記のQuilletteの記事を要約紹介しつつ、雑感を書く。…というか、ダラダラと長ったらしい記事なので、思い切って要点や特徴的な点だけ紹介する。 上記の記事では、デビッド・バスとウィリアム・フォンヒッペルという二人の進化心理学者が行っ…
前回の記事の続き…と言いたいところだが、大したことが書けそうにないので箇条書きで。 ●議論が盛り上がるきっかけとなった「男性のつらさの構造」記事では、男性のつらさの原因の一つを「女性の高望み」と分析していた。そして、それに対する解決策の一つと…
まとまった文章を書く気力がないので、最近の議論を見ていて思ったことをだらだらと。 日本のインターネットでは「男のつらさ」とか「男性の孤独」というトピックは周期的に話題になるが、今月は特にそれらの話題についての議論が盛んだ。 議論のきっかけは…
以前に訳して紹介したポーラ・ライト(Paula Wright)のブログの記事を読みながら、だらだらと考えたこと*1。 porlawright.com 「改良された"家父長制"を擁護する」というこの記事では、家父長制とは単一の種類しかないものではなく、悪性の家父長制もあれば…
togetter.com くどいようだが、この件に関するはてな・Twitterなどでの反応を眺めての雑感。 今回の件に限らず、動物の権利運動に対する批判としてちらほら見られるのが、「動物に権利を与えると人権という概念の理念が損なわれる」あるいは「動物に対して道…
Twitterやはてななどで「弱者男性」論を見かけたり、また先日の「女性だけの街」に関する議論などを見かけた際には、モヤモヤすることが多い。モヤモヤを吐き出すために雑感を書いてみた(あまり論理的ではない、感覚に頼ったくどい文章になってしまったが)…
The Feminist Care Tradition in Animal Ethics: A Reader 作者: Josephine Donovan,Carol J. Adams 出版社/メーカー: Columbia Univ Pr 発売日: 2007/11/01 メディア: ペーパーバック 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る ヴィーガンフェミ…
wezz-y.com wezz-y.com 今日は、Wezzyというサイトに掲載された社会学者の平山亮のインタビューについて取り上げようと思う。タイトルからも察せる通り、男性が感じる社会的なプレッシャーや苦痛を問題として取り上げるタイプの「男性学」に対して平山は批判…
news.yahoo.co.jp ちょうど先日『ワンダーウーマン』を見に行ったばかりなので、この記事について思うところを簡単に書いておこう。 ・読んでまず疑問に思うのが、この記事では「『ワンダーウーマン』の主演女優であるガル・ガドットは親イスラエルでイスラ…
昨日にアップしたGoogle社員による「反多様性メモ」についての記事では「一般的に、女性は男性よりも数学やソフトウェア・エンジニアリングに対する関心が低い傾向にある」「Googleの社員やソフトウェア・エンジニアの大多数が女性であることの原因は、男女…
jp.reuters.com www.bbc.com やや時機を逸している感はあるが、今更ながら、Google社員のジェームス・ダモアが社内文書にて男女の生物学的性差などを論じながらGoogleの多様性制度を批判したために解雇されてしまった事件について、軽く英語記事を紹介してみ…
togetter.com ↑ 最近話題になっているこの騒動について。 騒動の発端となったのは、以下の2つのツイートであるようだ。 ジャンプ開いたらいきなりこれだった。成人コミックかと思うよ…。公式の人気投票でキャラをここまで無意味に裸に剥いて、記号のように…
tocana.jp 上述の記事は最近話題になった「ジェンダー学版ソーカル事件」というべき事件についての紹介記事だが、この事件を起こした数学者ジェームズ・リンゼイ(James A. Lindsay) と哲学者のピータ・ボゴシアン(Peter Boghossian)が昨年にネット上で公…